Written by Asami chan

アシュアランス業務とアドバイザリー業務(コンサルティング業務)の違いは?【CIA】

WORK


読者さん読者さん
問題文に「改善を助言した」ってある!じゃあ、アドバイザリー業務?
AsamiAsami
ちょっと待って。「助言」という言葉だけで選ばないでね。アシュアランスでも改善を提案するよ。

内部監査は、アシュアランス業務とアドバイザリー業務、どちらも行います。違うのは、その仕事で何を提供するかです。

現在のGIASでは、コンサルティング業務に当たるものを「アドバイザリー業務」と呼びます。この記事では、この呼び方でそろえますね。

違いは「評価を求められている? 改善の相談?」

例えば、会社の経費精算。同じ仕組みを扱っていても、こんな違いがあります。

アシュアランス業務

「不適切な支払いを防ぐ仕組みは、機能していますか?」

↓ 証拠を集め、評価基準と照らして確認
「この点は機能しています。この点は不十分です」と評価を伝える。

アドバイザリー業務(コンサルティング業務)

「不適切な支払いを防ぐには、どう改善したらいいですか?」

↓ リスクや改善方法を検討
「こういう仕組みにしてはどうでしょう」と助言する。

AsamiAsami
「この仕組みを信頼してよいか」を確かめて伝える仕事なのか、「よりよくするには?」という相談に乗る仕事なのか。ここを比べると分かりやすいよ。

基準上の違いは、客観的な評価に基づく保証を提供するかどうか。アドバイザリーでは、合意した内容・範囲で助言しますが、その業務として保証は提供しません。

アシュアランスでも、改善を提案する

経費精算システムには、上司の承認ボタンがある。でも、中身を確認せずに押していたら、不適切な申請を止められないですよね。

そこで内部監査が申請データや承認記録を調べ、規程に反する支払いが通っていないかを確認します。

「必要な確認が行われておらず、承認の仕組みは十分に機能していません。確認項目を明確にするなど、改善が必要です。」

この結論に改善提案が付いていても、仕組みの有効性を評価して保証を提供する仕事なので、アシュアランスです。

読者さん読者さん
なるほど。「改善を提案した」という最後の一言だけで選ぶと、間違えるんだね。

なお、「保証」は不正やミスが絶対にないという約束ではありません。実施した手続きと得られた証拠に基づくものです。

アドバイザリーでも、調べたり確認したりする

読者さん読者さん
じゃあ、実際にテストして確認するのがアシュアランス?
AsamiAsami
そこだけでは分けられないんです。相談に答えるためにも、現状を調べることはあるよ。

経理部から「承認ルールを見直したい」と相談を受けたら、今の申請の流れやシステムの設定を確認したうえで、改善案を考えることもあります。

「申請者が自分で承認できる設定になっていますね。担当を分ける方法を検討しませんか?」と助言するイメージです。

調べたかどうかではなく、何のために調べたのか。選択肢でも、作業の一部分より業務全体の目的を見てみてください。

どちらの業務でも、決定・運用の責任は引き受けない

内部監査は、アシュアランスでは評価に基づいて改善を提案し、アドバイザリーでは相談に応じて助言します。

どちらも、改善策を採用して実行する責任は、経営陣や担当部門にあります。

AsamiAsami
経理部の代わりにルールを最終決定したり、毎日の経費を承認したりする役割ではないんだね。もちろん、監査の評価や結論には、内部監査自身が責任を持つよ。

CIA対策:例題で違いを確かめよう

以下はCIA試験を意識したオリジナル問題です。公式問題ではありません。

AsamiAsami
選択肢を押すと解説が開くよ。「何を提供する仕事?」に注目してみてね。

例題① 改善を提案しているけれど?

内部監査人は、経費の不適切な支払いを防ぐ仕組みが有効かを評価するため、申請データと承認記録を調査した。確認漏れを発見し、仕組みが十分に機能していないと結論づけ、改善を提案した。

この業務として最も適切なものはどれか。

A.改善を提案しているため、アドバイザリー業務
改善提案はアシュアランスでも行います。その言葉だけで分類しないようにしましょう。
B.仕組みの有効性を客観的に評価しているため、アシュアランス業務
正解はB。この業務の目的は、仕組みが有効かを評価して保証を提供すること。改善提案が含まれていても変わりません。
C.経費を調べているため、経理部の日常業務
経費の処理を担当することと、処理の仕組みを独立した立場で評価することは別です。
D.調査と改善提案を両方しているため、必ず両業務の組み合わせになる
改善提案があるだけで、別のアドバイザリー業務が加わるわけではありません。業務全体の目的を確認しましょう。

例題② 調査したらアシュアランス?

経理部から承認ルールの見直しについて相談を受け、内部監査人は合意した範囲で現在のシステム設定を調べ、改善案を提示した。仕組みの有効性について保証を提供する業務ではなく、ルールの採用は経理部と経営陣が判断する。

この業務として最も適切なものはどれか。

A.システム設定を調べているため、アシュアランス業務
調査は、助言のためにも行います。確認作業の有無だけでは分類できません。
B.改善方法を助言することを目的とする、アドバイザリー業務
正解はB。調査は改善案を考えるための手段です。この業務では保証を提供せず、助言を行っています。
C.内部監査人による経費精算の運用業務
内部監査人は、日々の経費処理や承認を担当していません。運用への助言と、運用そのものを区別しましょう。
D.助言した内部監査人が、承認ルールを最終決定すべき業務
助言しても、経営管理上の責任は引き受けません。採用の判断と運用の責任は経営陣や担当部門にあります。

定義・解説の確認:IIA「Global Internal Audit Standards」用語集(本文10ページ)およびドメインⅤ(92ページ)。経費精算の場面は説明用の例です。

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