Written by Asami chan

【CIA試験の論点】専門職としての正当な注意って何?具体例と問題で考えよう

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CIAの勉強で出てくる「専門職としての正当な注意」。

言葉は覚えたけれど、実際にどんな状態が正当な注意を払っているのか、いまいちピンとこない。そんなことはありませんか?

💬 客観性を持って、きちんと監査すること……ですか?

🌷 Asami
客観性も大切だけど、少し違うんです。まずは「専門職としての正当な注意が足りていない状態」から考えると、分かりやすいかもしれません。

例えば、こんな監査だったら?

経費精算で、同じ領収書を使った二重請求が何件か見つかりました。あなたは、その後の統制が機能しているかを監査することになりました。

ところが、確認したのは「申請書に上司の承認があるか」だけ。承認記録があったので、「問題ありません」と報告しました。

💬 その確認手続きだと、二重請求を防げているかは分からなくないですか?

そうなんです。二重請求が起きていたと知っているのに、それに見合う確認をせず、問題なしと結論を出している。

この状況では、専門職としての正当な注意が足りていないと考えられます。チェックリスト式確認だけでは、十分ではないんですね。

専門職としての正当な注意を払うと、どう変わる?

同じ場面で、こんなふうに考えてみます。

🌷 承認印があっても二重請求が通っていたんだよね。だったら、印を見るだけでは足りないかも。

そこで、例えば次のような確認をします。

  • 二重請求が起きた原因と業務フローの確認、その後に変更された対策を確認する。
  • 対策後の支払データを照合し、重複が疑われる取引を調べる。
  • 入力者と承認者が何を確認しているか、記録や聞き取りで確かめる。

そのうえで、集めた証拠から「原因に対して適切な対策が講じられているか」「対策が機能していると判断できるか」を考えます。

その状況で、専門職として必要な検討・確認をしたうえで、結論を出す。

これが「専門職としての正当な注意を払って業務を行う」ということのイメージです。

🌷 Asami
単に「作業を終わらせる」だけじゃなくて、「この確認で、本当に監査手続きの目的が達成されるかな?」まで考えて仕事をする感じですね。

必要な調査は状況によって変わるので、この手順を毎回そのまま使うという意味ではありません。

完璧であれ、間違えるな、という意味ではない

💬 そこまで確認しても、見つからない不正があったらダメなんですか?

🌷 Asami
必ず全ての不正や不備を見つけなさい、という意味ではないんです。見つけられなかったという結果だけで、注意不足と決まるわけではありません。

専門職としての正当な注意を払っても、すべての誤りや不正を発見できるとは限りません。

見るのは、そのとき分かっていた状況やリスクに対して、必要な検討・確認をしていたかです。

だから、「見落としが怖いから、何でも全部調べる」こととも違います。重要なリスクや調査の費用・効果などを考えて、適切な作業を判断します。

GIASの基準4.2でも、目的達成に必要な作業の程度や適時性、リスクの重要性、費用と便益、適切な手法・ツールなどが考慮事項になっています。参考:GIAS 基準4.2(IIA公式・英語)

では、ツールを使って分析すれば十分?

ここで、問題を考えてみましょう。

経費精算の監査で、調査の範囲を検討しています。専門職としての正当な注意を踏まえて必要な範囲を判断するうえで、最も中心となるものはどれでしょうか?

A:年度末までに残っている日数
B:現在の分析ソフトで実行できる処理
C:監査の目的に答えるために必要な調査の程度
D:外部監査人から得た対象部門へのコメント

💬 Bかな。システムで分析することも、専門職として必要ですよね?

🌷 Asami
うん、それも大切です。だから、Bを選びたくなる理由は分かるんです。ただ、今回はCが最も適切です。

先ほどの経費精算に戻ってみましょう。ソフトで重複申請を探したとしても、それだけで「承認の仕組みが機能している」と言えるでしょうか?

承認の記録を見たり、担当者に確認したりする必要もありそうですよね。

つまり、「ツールを使った」という事実だけでは、必要な確認を十分に行ったかまでは分からないんです。

💬 なるほど。ツールも一つの要素だけど、そもそも何を確かめるために、どんな確認が必要なのか。もう少し上流の話なんですね!

そういうことです。今回の問題では、利用できるソフトに合わせて範囲を決めるのではなく、監査の目的を達成するために必要な作業を中心に考えます。

時間や外部監査人の情報も検討材料になりますが、それだけで必要な作業の程度が決まるわけではありません。

「最も適切」という表現、迷いますよね

💬 ほかの選択肢も、もっともらしく見えるんですよね……。

🌷 Asami
そうですよね。今回も「ツールは関係ない」とは言えないから、迷うんです。

そんなときは、「この問題は何を聞いているの?」と一言にして、用語の意味に戻ってみましょう。

「専門職としての正当な注意=きちんと監査すること」だけだと、どの選択肢も当てはまりそうです。

でも、「その状況の目的やリスクに応じて、必要な作業を考え、十分な確認をしたうえで判断すること」と説明できれば、今回Cを選ぶ理由が見えてきます。

客観性との違いも同じです。

客観性は、公平に判断すること。
専門職としての正当な注意は、状況に応じた必要な検討・確認をして仕事をすること。

公平な人でも、確認が足りなければ、十分な根拠のある結論は出せないかもしれません。

🌷 Asami
「なんとなく分かる」を一度、自分の言葉にしてみてください。説明してみると、どの言葉と混ざっているかに気づくことがあります。

理解度チェック:3問やってみよう

🌷 Asami
選択肢を押すと解説が開くよ。選んだ理由も、一言考えてみてね。

第1問:システムで確認できれば十分?

経費精算の承認が適切に行われているかを監査します。分析ソフトでは、重複申請がないことを確認できました。次の対応として最も適切なのは?

A:システムで異常が出なかったため、承認も適切と判断する

正解はBです。 重複申請がないことと、承認が適切に行われていることは同じではありません。今回確かめたいことに対して、証拠が十分かを考えます。

B:監査目的に照らし、承認記録などの追加確認が必要か検討する

正解! 重複申請がないことと、承認が適切に行われていることは同じではありません。今回確かめたいことに対して、証拠が十分かを考えます。

C:システムの性能が高ければ、ほかの確認は省略する

正解はBです。 重複申請がないことと、承認が適切に行われていることは同じではありません。今回確かめたいことに対して、証拠が十分かを考えます。

D:重複申請がないため、監査目的を変更する

正解はBです。 重複申請がないことと、承認が適切に行われていることは同じではありません。今回確かめたいことに対して、証拠が十分かを考えます。

第2問:不正を見つけられなかったら?

監査後に、不正が発覚しました。監査人が専門職としての正当な注意を払っていたかを検討するうえで、最も適切な見方は?

A:不正を発見できなかったので、注意不足だった

正解はCです。 専門職としての正当な注意は、すべての不正の発見を保証するものではありません。発見できたかだけでなく、その状況で必要な注意を払っていたかを確認します。

B:チェックリストをすべて埋めていれば、十分だった

正解はCです。 専門職としての正当な注意は、すべての不正の発見を保証するものではありません。発見できたかだけでなく、その状況で必要な注意を払っていたかを確認します。

C:当時把握していた状況やリスクに対し、適切な手続と検討を行っていたかを確認する

正解! 専門職としての正当な注意は、すべての不正の発見を保証するものではありません。発見できたかだけでなく、その状況で必要な注意を払っていたかを確認します。

D:分析ツールを使っていれば、十分だった

正解はCです。 専門職としての正当な注意は、すべての不正の発見を保証するものではありません。発見できたかだけでなく、その状況で必要な注意を払っていたかを確認します。

第3問:去年と同じ確認でいい?

支払業務の仕組みが大きく変わり、誤払いも報告されています。専門職としての正当な注意を最もよく示す対応は?

A:比較しやすいよう、去年と同じ手続だけを行う

正解はDです。 去年の確認で十分だったとしても、今年も同じとは限りません。変化した状況に合わせて、必要な調査を考え直します。

B:担当者が経験豊富なので、確認を減らす

正解はDです。 去年の確認で十分だったとしても、今年も同じとは限りません。変化した状況に合わせて、必要な調査を考え直します。

C:金額の大きい支払いだけ確認すれば十分と判断する

正解はDです。 去年の確認で十分だったとしても、今年も同じとは限りません。変化した状況に合わせて、必要な調査を考え直します。

D:業務変更と誤払いの状況を踏まえ、確認方法と範囲を見直す

正解! 去年の確認で十分だったとしても、今年も同じとは限りません。変化した状況に合わせて、必要な調査を考え直します。

自分で説明してみると、理解が見えてくる

最後に、こう聞かれたらどう答えますか?

「専門職としての正当な注意を払って仕事をしている人と、払っていない人は、何が違う?」

「二重請求が起きていると知っていたのに、承認印だけ見て終わった人」と、そこから必要な確認を考えて行った人。

そんな具体例を使って説明できれば、言葉と実際の仕事がつながってきています。

🌷 Asami
「この理解で合ってる?」と思ったら、一緒に整理しましょう。個別相談では、自分の言葉で説明する練習もしています。

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