QAIPとは?内部評価・外部評価と改善の流れ【CIA】
AsamiQAIPとは?品質評価と改善をセットで回す仕組み
QAIPは、Quality Assurance and Improvement Programの略。「品質保証および改善のプログラム」と呼ばれ、IIAの日本語資料では「品質のアシュアランスと改善のプログラム」と表記されます。
評価するのは、内部監査部門自身の仕事の品質。購買部門の承認漏れなど、監査対象部門の不備を評価することとは区別します。
↓
改善する → 良くなったか確認
↻ 次の品質評価へ
「改善」って、具体的に何をするの?
例えば、品質評価で「監査調書のレビューが不十分」と分かったとします。結論の根拠が足りない調書が、そのまま承認されていました。
レビューで何を見るかが、担当者によってばらばらだった。
② 改善計画を立て、実行する
確認項目と責任者・期限を決め、チェックリストを整備。担当者への研修も行う。
③ 改善したか確かめる
次の監査調書で、根拠不足がレビュー時に見つかり、修正されているかを確認する。
Asami外部品質評価で受けた指摘も、QAIPの改善対象です。改善の進み具合や効果を、内部のモニタリングで確かめることもあります。
QAIPで評価するのは、基準への適合だけ?
見るのは、主に次の2つです。
| 評価の観点 | 例えば何を見る? |
|---|---|
| IIA基準への適合 | 監査計画や調書の作成・レビューは適切か。内部監査の独立性は確保されているか。 |
| パフォーマンス目標の達成 | 必要な監査を実施できたか。重要リスクをカバーしたか。報告やフォローアップは適時に行えたか。 |
Asami目標は、CAEが取締役会・最高経営者の意見や期待を踏まえて策定し、取締役会が少なくとも年1回承認します。IIAが「全社一律で実施率○%」と決めているわけではありません。
計画の実施率だけを追うのではなく、リスクの変化に応じた計画変更や、監査の中身も合わせて評価します。指摘事項については、対象部門の改善を内部監査が代行するのではなく、改善状況を適切に追跡しているかを見ます。
内部評価と外部評価の違い|実施と報告を分けよう
内部評価は、日々の業務に組み込む継続的モニタリングと、定期的自己評価などで構成されます。定期的評価は、内部監査実務を十分に理解する組織内の他の担当者が行う方法もあります。
外部評価は、組織の外の独立した適格な評価者・チームが行います。独立した検証を伴う自己評価という方法も認められています。
| 何をする? | 頻度・タイミング |
|---|---|
| 内部評価:継続的モニタリング | 継続的に行う |
| 内部評価:定期的自己評価など | 定期的に行う |
| 内部評価の結果を報告 | 少なくとも年1回 |
| 外部評価を実施 | 少なくとも5年に1回 |
| 外部評価の結果を報告 | 評価完了時 |
AsamiCAEは、誰に何を報告する?
QAIPの策定・実施・維持の責任者は、内部監査部門長(CAE)です。報告先は取締役会と最高経営者の両方です。
基準8.3で求められる報告には、基準への適合とパフォーマンス目標の達成状況、該当する法令・規制の遵守状況、必要な改善計画が含まれます。定期的自己評価を踏まえた改善計画には、対応の予定時期も盛り込みます。
評価結果:監査調書のレビューにばらつきがあった。
改善計画:今月中にチェックリストを導入し、来月に担当者研修を行う。
進捗共有:チェックリストは導入済み。研修後の調書で効果を確認する予定。
評価結果・必要な改善計画の報告は基準上の要求です。進捗は、課題の重要性や合意した報告方法に合わせて共有します。
Asami私がいた内部監査部門では✨
監査が終わるたびに、担当者がチェックリストで自己点検。室長が確認し、1年間の評価結果をまとめて取締役会へ報告していました。
CIA対策:QAIPの理解を例題で確認
学習用のオリジナル問題です。
内部監査部門の品質評価で、IIA基準には適合している一方、年間監査計画の実施率が目標を下回っていると分かりました。CAEの対応として、最も適切なのは?
AsamiA.基準に適合しているので、追加対応は不要
不正解。基準への適合だけでなく、パフォーマンス目標の達成も評価します。
B.監査計画の未達成は、QAIPの対象外とする
不正解。監査計画の進捗は、内部監査部門のパフォーマンスを考える材料になります。
C.未達成の原因を分析し、必要な改善計画を評価結果とともに取締役会・最高経営者へ報告する
正解! 原因を確かめ、必要な改善につなげる対応です。人員不足なのか、進め方に問題があるのか、リスクの変化で計画を見直す必要があるのかを整理します。
D.改善が完了するまで、評価結果の報告を延期する
不正解。改善完了を報告の条件にしません。評価結果と必要な改善計画を、所定のタイミングで伝えます。
⭐️ CIA試験で覚えるポイント
- QAIP=内部監査の「品質保証+改善」
- 内部評価の結果報告は、少なくとも年1回
- 報告先は、取締役会+最高経営者
Asami参照:IIA:QAIPと関連基準8.3・8.4・12.1・12.2・12.3/グローバル内部監査基準(2025年1月9日適用、2026年11月2日確認)