Written by Asami chan

アシュアランス業務って具体的に何をするの?配送会社の例で解説【CIA】

WORK


読者さん読者さん
アシュアランスは「評価して保証する仕事」って習ったけど……結局、何を確認するの?
AsamiAsami
契約、お金、個人情報。何を確かめたいかで、監査の切り口が変わるよ

今回は、配送会社の仕事を例に、CIAのPart1の頻出テーマ アシュアランス業務を見てみましょう。

まずは「何を確かめたい?」から

ある配送会社が、配送の一部を外部の会社に委託しています。

荷物は届いている。大きな苦情も来ていない。

読者さん読者さん
じゃあ、とりあえず問題なさそう?
AsamiAsami
でも、契約より多く料金を請求されていたら?お客さんの住所が、誰でも見られる状態だったら?

「荷物が届いている」だけでは、分からないこともありますよね。

内部監査では、確認する基準を決め、記録や現場の状況などの証拠を集めて、適切に行われているかを評価します。

その「何を確かめるか」を具体的にしたものが、次の監査です。

例えば配送会社なら、こんなことを確認する

① リスクとコントロールの評価

「何が起きると困る?それを防ぐ仕組みは働いている?」

配送会社なら、まず目標は「荷物を正しい届け先に届けること」。そこから、目標を達成できなくなる原因を考えます。

目標
荷物を正しい届け先に届ける

↓

リスク
別の配送先の荷物を、間違ったトラックに積み込んでしまう

↓

コントロール
積み込み時にバーコードを読み取り、配送先とトラックの割り当てが一致するか照合する

読者さん読者さん
じゃあ、バーコードで照合しているなら大丈夫?
AsamiAsami
そこから、もう一歩。「その仕組みで間違いを防げる?」と「実際に使われている?」を確認します。
  • 仕組みは適切?
    配送先が違ったときに警告が出るか。警告を無視して、そのまま積み込めてしまわないか。
  • 実際に機能している?
    現場の作業や記録を見ると、忙しい時間帯に読み取りを省略していないか。警告が出た荷物は、正しいトラックに戻されているか。

「照合システムがある」で終わらず、誤配送のリスクを十分に抑えられているかまで見る。これが、リスクとコントロールを結びつけた評価です。

なお、リスクを管理する責任は担当部門にあります。内部監査は、担当部門が重要なリスクを見落としていないか、その対策が適切に機能しているかを評価します。

② 第三者監査・契約遵守監査

「委託先の管理は適切?約束したことを守っている?」

  • 第三者監査:配送を任せている外部の委託先会社の安全管理や情報管理などを確認する。
  • 契約遵守監査:配送条件や請求料金などが、契約どおりかを確認する。
AsamiAsami
「誰を・何を対象に見るか」と「何に照らして確認するか」の違いがあります。委託先の監査で、契約遵守も確認することはありますよ。

③ ITセキュリティ監査・プライバシー監査

「システムを守れている?個人情報を適切に扱っている?」

  • ITセキュリティ監査:退職者のアカウントが残っていないか、不正アクセスへの対策が機能しているか。
  • プライバシー監査:配送のために集めた住所や電話番号を、別の目的で勝手に使ったり、必要以上に保管したりしていないか。
読者さん読者さん
情報が漏れていなければ、どちらも大丈夫ってわけじゃないんだ。
AsamiAsami
そう。外から侵入されなくても、会社の中で個人情報を不適切に使っている可能性はあります。

④ パフォーマンス監査・品質監査

「効率よく成果を出せている?求められる品質を満たしている?」

  • パフォーマンス監査:配送ルートや人員の使い方は効率的か。投入した費用に見合う成果が出ているか。
  • 品質監査:荷物の破損防止や冷蔵品の温度管理などが、定めた品質基準を満たしているか。

安く、たくさん運べても、荷物が傷んでいたら困りますよね。効率と品質は、どちらも確認したい観点です。

⑤ 業務監査・財務監査・規制遵守監査

「仕事の進め方、お金の記録、法令への対応は適切?」

監査 配送会社で確認する例
業務監査 受付から配達までに、無駄な二重入力や滞留が起きていないか
財務監査 配送料の売上や委託費が、適切に記録・報告されているか
規制遵守監査 運送や労働時間などに関する法令・規制を守っているか

業務監査では効率や成果も扱うので、先ほどのパフォーマンス監査と重なる部分があります。名称だけで、すべてがきれいに分かれるわけではありません。

⑥ 組織文化の監査

「会社が言っていることと、現場の行動は合っている?」

会社の方針は「安全第一」。でも実際には、遅れを報告すると怒られる。危険だと感じても、配送を続けるしかない。

こうした状態なら、掲げた方針と現場の行動にズレがあります。

監査では、従業員への聞き取りやアンケート、評価制度、事故の報告状況などを組み合わせて、実態を確かめます。

⑦ 経営管理者報告プロセスの監査

「経営陣に届く情報は、判断に使えるものになっている?」

社長への月次報告には「配送トラブルは減少」と書いてあります。でも、確認すると一部の拠点の事故が集計されていなかった。

これでは、正しく判断できません。

監査では、元の記録から集計・確認・報告までの流れを見て、情報が正確か、必要な情報が抜けていないか、間に合うタイミングで届いているかを確認します。

全部を毎回チェックするの?

読者さん読者さん
結構あるね……。毎回、全部確認するの?
AsamiAsami
毎回全部ではないよ。「今回、何を確かめる必要があるか」で選びます。

例えば「委託先からの請求額がおかしい」という状況なら、契約条件や請求内容、支払いまでのチェックに注目するでしょう。

一方、「委託先で顧客情報の管理に不安がある」なら、情報へのアクセスや個人情報の取り扱いを確認します。

監査の名前を先に当てはめるより、「何が心配で、何を確かめたいのか」を考えると、仕事内容が見えてきます。

CIA対策:どの監査に当たる?

理解を確認するためのオリジナル問題です。

AsamiAsami
選択肢を押すと、解説が開くよ。

例題① 約束した料金になっている?

内部監査人は、配送委託先からの請求について、単価や追加料金が契約条件と一致しているかを確認しています。

この確認の主な切り口として、最も適切なものはどれでしょうか。

A.組織文化の監査

今回は、組織の価値観や実際の行動ではなく、契約条件と請求の一致を確認しています。

B.契約遵守監査

正解!確かめているのは、契約で合意した条件を守っているかです。委託先が対象でも、今回の具体的な確認目的に注目しましょう。

C.プライバシー監査

個人情報の取り扱いが確認対象ではありません。

D.ITセキュリティ監査

システムや情報を脅威から守る対策ではなく、契約条件を確認しています。

例題② 社長に届く数字は正しい?

各拠点の事故報告が、経営会議の資料に漏れなく反映されているか。また、集計内容を確認する手続きが機能しているかを監査しています。

最も直接的に当てはまるものはどれでしょうか。

A.品質監査

配送品質そのものの評価ではなく、事故の情報が正しく報告される仕組みの評価です。

B.規制遵守監査

この設問では、特定の法令・規制を守っているかは問われていません。

C.経営管理者報告プロセスの監査

正解!事故を防ぐ作業そのものではなく、事故の情報が経営陣に正しく届く仕組みを確認しているからです。

D.契約遵守監査

契約上の約束ではなく、経営陣への報告の正確性や網羅性を確認しています。

まずは、「この監査では、何を確かめるの?」と仕事内容に置き換えてみてください。

関連記事:アシュアランス業務とアドバイザリー業務の違い
CIA学習・受験ガイドへ

参考:IIA公式・CIA Part 1シラバス、グローバル内部監査基準(GIAS)用語集・ドメインⅤ。配送会社の場面は説明用の架空例です。

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