ガバナンスとは?経営陣も「監督される側」になる理由【CIA】
ガバナンスとは、会社の方針に沿って動くための仕組み。それだけだと、少し見落としがあります。経営陣自身の判断や行動も、監督の対象になるからです。
Asami社長の方針どおりに動いていれば、大丈夫?
例えば、ある配送会社で考えてみましょう。説明のための架空の例です。
社長が「翌日配送のエリアを広げて、売上を伸ばそう」と方針を出しました。部門長は配送ルートや人員配置を調整し、担当者も決められた手順で仕事を進めています。
ところが、無理な拡大で長時間労働や事故が増えていました。報告を受けた社長は、こう判断します。
今は売上を伸ばすことが優先。人員を増やすと利益が減るので、この体制で続けよう。
Asamiガバナンスでは、経営陣も監督される側になる
この場面で取締役会が売上の報告を聞くだけで終わっていたら、「売上が伸びているから順調」と判断してしまうかもしれません。
そこで、事故や勤務時間の情報も受け取り、経営陣に確認します。
- 安全上の問題を把握しているか。
- 今の体制で事業を続ける判断は妥当か。
- 改善する責任者と期限は決まっているか。
必要に応じて、計画の見直しや改善を求め、その後の対応も確かめます。
経営陣が実行し、その判断や結果を説明する。取締役会がそれを監督する。この関係も、ガバナンスの大切な部分です。
Asami重要事項の決定・監督
取締役の職務執行を監査
経営を実行する
監査役の監査対象には、
社長の職務執行も含まれます。
Asami監査役と社内の内部監査部門も別の役割です。また、会社によっては監査役ではなく、監査等委員会や監査委員会を置きます。
業務管理や、請求書のチェックとはどう違う?
| 観点 | 配送会社の具体例 |
|---|---|
| 日々の業務管理 | 部門長が、翌日の配送ルートや人員を調整する |
| 具体的な統制手続き | 支払い前に、発注・納品・請求の内容が一致しているか確認する |
| ガバナンス | 取締役会が、拡大方針の成果とリスクを踏まえ、経営陣の判断や対応を監督する |
どれも会社に必要です。ただし、何を確認しようとしているかが違います。
請求書の照合は、一件の支払いが適切かを確認するもの。取締役会の監督は、会社の方向性や経営陣の取り組みが適切かを確かめるものです。
Asami内部監査は、必要な情報が取締役会に届いているかなど、こうした仕組みが機能しているかを独立した立場から評価し、改善を支えます。
ガバナンスを例題で確認してみよう
CIA学習用のオリジナル問題です。
Asami第1問:ガバナンスに関わる活動は?
配送会社で、事業拡大に伴う事故の増加が問題になっています。次のうち、ガバナンスに最も直接関わる活動はどれでしょう。
A.部門長が、翌日の配送担当者を変更する
これは日々の業務管理です。担当者を調整して、業務を進めています。
B.担当者が、修理代の請求書と発注書を照合する
これは支払いに関する具体的な統制手続きです。
C.取締役会が、事故の状況と経営陣の対応を検討し、改善計画の進捗を確認する
正解です。経営陣の取り組みを監督し、対応について説明を求めています。
第2問:会議を開いていれば十分?
取締役会は毎月開催されています。しかし、報告されるのは売上だけで、重大な事故や顧客からの苦情は共有されていません。内部監査人の評価として、最も適切なのはどれでしょう。
A.毎月開催されているため、ガバナンスは十分に機能している
開催回数だけでは判断できません。必要な情報が届き、判断につながっているかが重要です。
B.売上が伸びていれば、事故の情報は必要ない
売上だけでは事業の状況やリスクを把握できません。
C.監督に必要な情報が届かず、適切な判断を妨げている可能性がある
正解です。監督する人が、必要な情報を得て判断できる状態かを見ます。
参考:GIAS 用語集・基準9.1、会社法362条・381条・383条。図は本記事用に作成した簡略図です。
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